2017年07月10日

涙の男(作詞・作曲 甲本ヒロト)




87年に一度だけ演奏された曲。

どんな背景があったのかは様々な憶測があるが、
もしかして、「僕の右手」のモデルになっている
MASAMIの死を歌にした、もう一つの歌なのか?
そんな想像もされた。

タイトルに「〜の男」とつけているが、
もし今ヒロトが同じような曲を作るとしたら「〜マン」にしてるだろうな、
というヒロトのタイトルのつけ方にも違いを感じた。

「お前の宇宙に入れてくれ」でも取り上げられていた
「人の気持ち」。わかるわけなんてない。(これはマーシー作)
そういう風に何度も歌にする当時のヒロト、そして彼らには
何か相手の気持ちがわからない場面に対する葛藤があったのかもしれない。

故に、その悩みがヒロトの観察眼や感性を研ぎ澄まさせ、ブルーハーツのような名作がたくさん
生まれたのかもしれない。

出だし

誰か言葉にして 誰か言葉にして
うまく言えない うまく言えない

説明できますか 説明できますか
苦しいわけを さみしいわけを



自分の今の寂しさなんかを、説明できない自分のもやもやを
そのままストレートに歌詞にした。

ヒロトは、いろんなことを説明したかったのかもしれない。

こういう、原点のような曲に立ち返ると、ブルーハーツのみならず
それ以降のクロマニヨンズの作品への影響していることがわかる。

説明したかったからこそ、言葉の表現力がどんどんついて
そして、簡潔に本質をつく歌詞がパワーを持つようになったんだろう。


涙 涙 涙の男
優しい人に 僕は
なれそうもない


ヒロトの「やさしい」という言葉は、
「人にやさしく」をいつも想像させる。

その言葉通り、人に優しくあろうとして、でもそれが何なのかわからなくて、
考えて考えて、やさしいの定義がヒロトの中で極端に高度化されていった。

優しさだけじゃ 人は愛せないから
ああ なぐさめて あげられない(人にやさしく)


その結果、ヒロトの考える「やさしい」には到底辿り着けない、
そんな風に思ったのかもしれない。



誰かが叫んでる どこかで叫んでる
ここから先は 来てはいけない

僕を止められるか 僕を止められるか
常識という弱い力で



なぜ来てはいけない、と表現しているのか
と考えてみた。

きっと、それは常識の中で行動しろよ、って世間が
自分の個性を止めようとしてくる、そういう空気感に
反発したい気持ちの表れだろう。

「おかしいって言われたら、
それが自分なんだって誇りに思ってよ。
もっとやってやれ」

ただし、ヒロトの中で、「怒り」という負の感情は歌には載せないと、以下の通りに方tぅている


怒りは詩に乗せないな。怒りが歌になっているとしたら僕は歌いたくないし。



涙 涙 涙の男
自分のためだけにしか
生きられないよ

人の心が わかってたまるか
お前の気持ちが わかってたまるか
人の心が わかってたまるか
お前の気持ちが わかってたまるか!



こういう歌詞、TRAIN-TRAINにもつながっていくんじゃないか、
そこまで考えてしまった。まあ、そっちはマーシーだけど。

「聖者になんてなれないよ
だけど生きてる方がいい
だから僕は歌うんだよ 精一杯でかい声で」(TRAIN-TRAIN)



そのあとの、2006年のファッション雑誌のインタビューでも、
心境を語っている。人からどう見られるか?に悩んだり、
自分だけのために生きていくことへの罪悪感のようなものを、人以上に感じる性格だったのだろう。

(ブルーハーツ時代について)
甲本「怖くなって外にも出られなくなって。昼間から酒飲んじゃったりして」
 −それはアルコホリックだったってこと?
甲本「違うって言ってたけど、抜けたことなかったし。僕は聖人-セイントになろうとしていた。"誰もお前のことなんか見てねえよ"って思えるようになってからすごく楽になった。スーパーの試食コーナーで普通にひょいひょい取れるようになったし(笑)」



それから、また音楽とは別になってくるのだが、
最近読んだ堀江貴文さんのゼロとい本の中に、全く同じ言葉が書いてあって、
とても印象的だったので、抜粋。

「お前には人の気持ちってもんがわからんのかっ!?」
 顔を真っ赤にして怒る先輩に、僕は叫んだ。
「人の気持ちなんて、わかるわけがないでしょ!!」
 絶句した先輩の顔は、いまでも忘れられない。そう、人の気持ちなんて、究極的にはわからないものなのだ。僕のことをどう思っているのか、信頼してくれているのかバカにしているのか、本当のところは絶対にわからない。
 そしてわからないからこそ、僕は信じる。
 仲間を信じるからこそ、僕は全力で働くことができる。(ゼロ/堀江貴文著)



ちなみに、堀江さんはこのブログをリツイートしてくれています(笑)

ヒロトの繊細な感性を感じることができる一曲でした。
posted by 荒井コウスケ at 23:00 | Comment(0) | 未発表曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: