2015年12月08日

情熱の薔薇(作詞・作曲:甲本ヒロト)



ブルーハーツが生み出した、後世に語り継がれるべき
ブルーハーツ中期を代表する名曲。

これによってブルーハーツを知ったという人も多いだろし、
あるいは他の曲は知らなくてもこの曲なら知っている、という人も多いだろう。

雨上がり決死隊の宮迫はこの曲を、場を盛り上げたい時に歌うと言っていた。

また、はいすくーる落書2のテーマ曲でもある。(1はTRAINTRAIN)
ライブ中では、ヒロトが「はいすくーる落書2のテーマ、情熱の薔薇!」と紹介してから
曲が演奏されることがあった。

どんな心境でもその時、その時によって違った味がでてくる、
味わい深い歌詞となっている。

不変的なことを淡々と歌っている。

そして最終的にこれは「感動」を歌った歌だと思う。


有名な出だしがこちら

永遠なのか本当か 時のながれは続くのか
いつまで経っても 変わらない そんなもの あるだろうか



時の流れについて、変わることについて、ヒロトはいろいろなことを感じていて、
それを歌にしたい衝動があったに違いない。

他の曲でもたとえばクロマニヨンズ・スピードとナイフでは
「変わらないものなんて 何一つないけど 変わるスピードが違ったんだな」と歌っているし

ハイロウズ・不死身の花では
「永遠にずっと変わらないなんて 燃えないゴミと一緒じゃないか」と歌っている。

もっと昔に遡れば
ほんのすこしだけという曲の中で
「永遠なんて信じられない 僕がほしいのは今」と歌っている。


永遠とか、そんなものが無いのに人は憧れてしまうよね、
もっとそれより今あるものを大事にしようよ、と思っているのだろう。


そして、そんな変わりやすいものだからこそ大事にできるんだ、っていう背景がある。それが感動できることにもつながっているような。

名言の中で

「もうすぐ好きな子の誕生日なんですけど、
どういう物をプレゼントしたらいいと思いますか?」
というリスナーからの質問に対し、
優しく穏やかな話し方で、

「そうだなー。壊れやすいものがいいんじゃないかな。
きっと大切にしてくれると思うから」

と答えていた。



見てきたものや きいたこと
今まで覚えた全部
デタラメだったら面白い
そんな気持ちわかるでしょう

こんなことを言えたのはヒロトだけだったろうに思う。

なんだか、芸術家の岡本太郎にも近いものを感じる。


「人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。
僕は逆に、積み減らすべきだと思う。
財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。
過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。
それには心身とも無一物、無条件でなければならない。
捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。」




今まで覚えたものなんて、関係なく、その時その時だけが確かなものなんだ、
というような。

いろんなことをこれは、こうだ、と知識として与えられ、当たり前のように日々を過ごしているけれど、
「実は全部嘘だったんだ」と、言われる日がくるんじゃないか、そんな面白味を日々に感じている
のかもしれない。



答えはきっと奥のほう
心のずっと奥のほう
涙はそこからやってくる
心のずっと奥のほう


何かと人は答えを求めがちだけれど、実はみんなが答えと思っているものは
表面的なものであって、本当はもっと奥底の方に、
答えが眠っているんだ、だから考えてもわからないよ、と言っている。

それはかつてヒロトがマンフレッド・マンを初めて聴いた時に、
何故かわからないけど涙があふれてきた、と言っていたエピソードに通ずる。

涙がでたということは何か奥のものに触れたということ。



なるべく小さな幸せと
なるべく小さな不幸せ

なるべくいっぱい集めよう
そんな気持ちわからるでしょう



そんな気持ちわかるでしょう?と言われて、最初自分は
そんな気持ちがわからなかった(笑)


しかし、最初聴いた時とこの詩の印象は違う。
最初は「不幸せ」を集める意味がわからなかった。

だけど、ヒロトがかつて入っていた言葉
「もし、憎しみや苦しみのない世界があるからお前来ないか?って言われたら、俺は行かないって言うわ。」
「悩むことは当たり前だし それこそがダイナミズムだと思うんだよ 
 それを楽しめないともったいないよ がっかりする時は思いっきりがっかりしたり 
 失望したり 切望したり 恋が叶ってもいいし 失恋してもいいし 
 その瞬間をしっかり掴まえて 心臓が張り裂けるような
 ダイナミズムを味わうってことが もっとも贅沢な生き方じゃん」


に感激してからは、そう思えるようになってきた。


この、「贅沢な生き方」こそ最高だと。それこそが生きているということだと。

何も悩みもなくて幸せだ、ってただ言っているだけのものは、もしかしたら楽しくないんじゃないか?
そんな気持ちがあるんじゃないか。

そう感じ取っていくとすっと次のサビが入ってくる



情熱の真っ赤な薔薇を 
胸に咲かせよう

花瓶に水を あげましょう
心のずっと奥のほう


だからこそ、情熱という自分の心からわきあがる気持ちを大切にしていこう!と
いう気概を感じる。

感動していこうぜ!、っていうような。

だから何かに燃えるってことは楽しいことなんだ、感動なんだ、って
ロックンロールを通して感じたんだと思う。


これも名言紹介だけども

自分の存在”というキーワードを使うんだったら 
 ロックンロールの感動は自分の存在を許すものだと思う
 「いてもいいんだよ」「生きてもいいんだよ」
 「感動してもいいんだよ」「泣いてもいいんだよ」
 「笑ってもいいんだよ」「そこに存在してもいいんだよ」って言ってくれてるかんじ
 誰の許可もいらないんだ それをロックンロールが僕に言ってくれるんだよ




なんか、感動によって注がれた水に、情熱という花が咲いたのがヒロトの心だったんじゃないか、
それを歌にしたんじゃないか、そんな気持ちがする。
posted by 荒井コウスケ at 23:00 | Comment(6) | BUST WASTE HIP(4th Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素晴らしいブログですね。ひとつひとつの記事からブルーハーツ愛がよく伝わってきますね。
僕はまだ大学生のガキなのですが、高校生の時にブルーハーツを知った時の涙が出る程の衝撃は今でも忘れられません。僕の今の生き方、人格形成にまで影響している存在です。
あの時代に生まれ、リアルタイムのブルーハーツを見ながら青春時代を過ごした方々が非常に羨ましい。
周りにブルーハーツの事を話せる仲間が1人としていないのもあり、こういったブログを発見出来たことはとても嬉しいです。
最後の記事まで楽しみにしております。
Posted by 風 at 2015年12月09日 12:54
風さん

読んでくださってありがとうございます!
私もまったく同じです。
リアルタイムで経験したことがないので、
想像でしかありません。

でも、逆にそれが想像力をふくらませることで楽しめる部分もあるところに気づきました。

必ずやりきりますので、また読んで頂けますと嬉しいです。
Posted by 荒井コウスケ at 2015年12月13日 15:50
こんにちは。
情熱の薔薇、大好きです。
シングルの中で一番好きです。
まぁ、私はアルバムしか聞かなかったのでどれがシングルなのかなんてよくわからないのですが(だから知らない歌もあったりします。)

そうですね。ヒロトは常々言ってますよね。
変わらないものなんてない、永遠なんてないだから今が大事だって。
最初の『永遠なのかほんとうか?』の部分、これは反語的な表現ですよね。『そんなものあるだろうか』の次には『あるわけねーだろ!』ってのが隠れてると思います。

この歌で一番好きなのは『涙はそこからやってくる心のずっと奥の方』『花瓶に水をあげましょう心のずっと奥の方』にある、心のずっと奥っていう表現です。
意味なんてわかんないけど、人間の感情ってのは心のずっと奥の方にあって自然に沸き上がってくるものなんだなーと、妙に納得したものです。だからお水をあげないと枯れちゃうんだな。
リスナーに送ったヒロトの言葉、サイコーですね。初めて聞きましたが涙が出そうでした。

スピードとナイフはクロマニヨンズ一番好きな歌ですが、クロマニヨンズをちゃんと聞いてみようと思わせてくれたきっかけになった歌で、特に『変わらないものなんて何一つないけど変わるスピードが違ったんだな』を聞いたとき、そこにブルーハーツ時代と変わらないヒロトがいて涙が出ました。
変わらないものなんてないけど、基本的な芯の部分が変わることのないヒロトが大好きです。

Posted by しおまめたろう at 2015年12月20日 11:11
コメントしたと思っていたらしておりませんでした、すみません!

これはしおまめたろうさんおっしゃるように、反語的な表現ですね!
そんなわけないだろ、が隠れていますね。


リスナーの言葉、ほんと素敵ですね。自分もこんなこといえる人になりたいなと思いました。

変わらないものはないけど、けど、っていうのがブルーハーツが思っているところですよね。情熱とか。そういう見えないモノを。
Posted by 荒井コウスケ at 2016年01月02日 23:13
この曲、自分の中ではメジャーな割に難しい曲でした。なぜならコウスケさんのおっしゃるように‘‘そんな気持ちわかるでしょう’’の部分で「分からないよ」って思ったからです。
ですが、どこかで仏教の無常を歌ってるというのを見かけて何となくつかめた気がします。永遠に変わらないものなんてないんだ、瞬間を大切にしていこうぜってことなんですね。
Posted by 天国野郎 at 2016年02月01日 09:56
この曲はサビが最後にしかないのがいいですよね。まあもっともこの曲は全体通してサビですが。
Posted by セル坊 at 2016年08月10日 13:47
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