2015年09月07日

俺は俺の死を死にたい(作詞・作曲:真島昌利)



ブルーハーツの全曲解説もおかげさまでもう残り曲数が少なくなってきました。


意外とマーシーボーカルの曲が残っているので、
今回は「俺は俺の死を死にたい」です。


これはタイトルが強烈なインパクトがあり、一瞬、「え?」となります。
それは文法が日本語に則していないからです。


英訳を間違ってしまったときのような雰囲気をわざと出しているといえます。


どういうことなのかは、曲をきいていくとわかります。


死を考え、死にたくないという願望を言い方を変えているんだと思います。

きっと、死について悩まされた経験がマーシーにはあったんじゃないかと。

多くの人が抱える、絶対に死ぬという事実。そこに反抗をしたいということ。
死という単語を使われた曲は、ブルーハーツやハイロウズでは多い。

ハイロウズ「TOO LATE TO DIE」「死人」「即死」「不死身の花」「不死身のエレキマン」などタイトルにもあるが、
歌詞の中であれば

ブルーハーツ
「やるか逃げるか」

死んだらそれでサヨウナラ 安っぽいヒロイズム 嫌いじゃないもな

「ブルーハーツのテーマ」

諦めるなんて 死ぬまでないから

「すてごま」

いざこざに巻き込まれて 死んでくれないか


ハイロウズ「ミサイルマン」

自殺するのが流行りなら 長生きするのも流行り


「ローリング・ジェット・サンダー」

死んだら死んだで関係ないぜ ちょっとそこらに捨てといてくれ

「21世紀音頭」

失敗したら残念だけど 最悪でも死ぬだけだから

とおそらくまだまだあるはず。

出だし



誰かの無知や偏見で
俺は死にたくはないんだ
誰かの傲慢のせいで
俺は死にたくはないんだ



ここで明確な意志がはっきりする。マーシーは死にたくないということ。
死を死にたい、というのは死という絶対的な事実を消し去りたいということじゃないか。

そして自分のタイミングで死にたい、ということか。誰かに邪魔されることはなく。
「俺の邪魔はするな」という曲もマーシーは書いているし。


車輪の下で苦しむより
長い靴下をはいてる
ピッピと遊びに行きたいな
ほら男爵も誘おうか




マーシーは本当に読書家なんだとおもう。そして、海外小説も好きなのかもしれない。

1000のバイオリンでも、ハックルベリーが出てきたし、

このピッピというのは「長くつ下のピッピ」だ。


そして、「車輪の下」はヘルマン・ヘッセじゃないか。

ストーリーはなかなか苦しみの中からはいあがる、
という内容。ここで苦しむと表現されている
のに則している。


豚の安心を買うより
狼の不安を背負う
世界の首根っこおさえ
ギターでぶん殴ってやる




このフレーズを聴いて思い出すのが、尾崎豊の「BOW!」という曲。

「鉄を食え 飢えた狼よ 死んでも豚には食いつくな」

と、狼と豚がでてくるところが丸かぶりしている。


これは、狼が攻めの姿勢、豚が守りの姿勢の象徴で共通している。

つまり、豚のようにぶくぶく安心しきっていきていくより、
狼のように気高く不安でありながらも世界を切り開いていこう、
という攻めの姿勢の決意だ。

その証拠に、世界の首根っこをおさえてぶん殴るというかなり激し目の
決意が表現されている。



寝たきりのジジイになって
変なくだをぶちこまれて
気力も萎えきっちまったら
無理して生き延びたくはない




これはTHE WHOのフレーズ
「Hope I die before get old」(老いる前に死にたい) からインスパイアされているのか。

旅人の中でもこれは使われていたし。

でも、マーシーの本心だと思う。
即死がいい、と言っているし。
健康寿命のなかで行きていければいい、そう思っているんだろう。




いつか俺はジジイになる
時間は立ち止まりはしない



これは、嘆いているというよりも、この絶対的事実からは逃れられないんだ、
と言い聞かせるように歌っている。


だから、今この瞬間を楽しもう、そんなふうに僕には聞こえる。


ライブバージョンではこの部分はいつか君もクソババアになる、いつか君はうめぼしババアになると歌われている。
それが、ちょっと無理やり歌詞を入れたため、早口で歌われているのが、面白かった(笑)

マーシー節が炸裂した一曲。
posted by 荒井コウスケ at 12:09 | Comment(6) | STICK OUT (6th Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Posted by おはようございます。 at 2015年09月13日 10:09
間違えました!
改めましておはようございます。

前にも言いましたが私はアルバムでもほとんどマーシーの歌は飛ばしていたので(長くてしつこいから笑)ライブに行ってもマーシーのコーナーは休憩タイムでした。
この歌は特に長いので『早く終わらないかなー』と思っていた歌ですねー(笑)

なんだか若いロッカーのとがった、いきがった感じがとても出ているなという印象です。
ハウンドドッグでも15の好奇心という歌で『それより憧れのロックスターセリフにいつもしびれてた じじいになる前に死んでやる』という歌詞があります。

ただそこはさすがマーシーで、『車輪の下』やら『ピッピ』なんかをもってくるところに常人じゃない感がありますね。

今のマーシーからは考えられない内容です。
前に雑誌で『早くバスがタダで乗れる定期をもらいたい』って言っていて変わるもんだなぁとおもいました。が、今でも『俺の死を死にたい』と思っているんでしょうね。
そしてその通りになれると思います。
Posted by しおまめたろう at 2015年09月13日 10:21
あ、追記です。
いつかじじいになるの所、うめぼしばばあだの言ってもうぉーって盛り上がりも特になく、『いつか生理もあがるー』と歌った時なんかは逆にシーンとしてて笑いました。
でも気にしなそう(笑)
Posted by しおまめたろう at 2015年09月13日 14:03
しおまめたろうさん

コメントありがとうございます!
そうだったんですね〜
自分も最初はヒロトのボーカルがよくて聴き始めたので、マーシーはその時の自分には濃い味付けすぎました!!
でもいまはすごいいい感じできけています。

いつかじじいになるのライブのところってそんな感じだったんですね〜遊び心ですね^^
Posted by 荒井コウスケ at 2015年09月13日 20:21
俺は俺の死を死にたいってたぶんあえてわかりづらく言ってるだけで、死にたくないってことは言ってないと思いますよ

『俺の死』を死ぬってことがしたいってことであって
自分のオリジナルな死、というか

だから誰かの無知や偏見とかを否定してるわけで


簡単に言えば死に方の話でしょう
俺はこんな風に死にたいんだーみたいな
Posted by at 2016年10月26日 20:49
下に同意です。俺の好きなように死なせろ、俺らしく死なせろということだと思います。
Posted by at 2017年07月23日 01:33
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