2015年01月19日

月の爆撃機(作詞・作曲:甲本ヒロト)



ヒロトの文学的才能が最大に発揮された、孤独を生ききる人々へ向けた、ブルーハーツの中でも特に痛烈な名曲。

これは、本当に名曲だと思います。ずっと残せるような、そしてたくさんきいて自分なりのイメージができあがっていく、
まるそれぞれの人の中で曲が育つような、そんな曲です。

生きていくことそのものを歌っていて、そこにつきまとう葛藤や決意、それをヒロトの持つ独特の言葉が表現してくれている。

いろいろな解釈ができて、想像がふくらみ、これを考えるのが楽しい歌だ。


ここから一歩も通さない 理屈も法律も通さない
誰の声も届かない 友達も恋人も入れない


過去の曲でも例にあげたが、
この曲の最初の驚きとして、
出だしのインパクトが強烈過ぎて、一気に耳を奪われる。

誰の胸の中にもある、「譲れないもの」。
それは孤独と隣合わせ。

この線から先は、入ってきちゃダメだよ。この中から、自分だけがいることの許される聖域なんだ。

そして、声も届かないくらい静かで、助けを呼んでも、叫んでも、その声は入ってこないんだ。

誰もいないから、寂しくても、この中には入れないんだ。


って感じで、またこれは「孤独」を抱えている人間の性をイメージさせる。


そして何回も出てくるこの名フレーズ。


手がかりになるのは 薄い月明かり


うま〜〜〜くこの短いフレーズの中に、言いたいイメージを込めたなぁと、すごいなあと。

闇の中をさぐって、進んでいく中、かすかにその闇を照らしている月明かりがある。
そのわずかな光を頼りに、道を進んでいく。





あれは伝説の爆撃機 この街もそろそろ
危ないぜ
どんなふうに 逃げようか
全ては幻と笑おうか


これは自分自身の持つ、「狂気」なんじゃなかろうか。
爆撃機というのは。

自分自身が内包している爆発性を、

「あれ」と、表現しているのは、客観的に見ているのではないか。

自分が外部へ与える、狂気ともとれるような爆撃機のような本当の部分を、
周りはどんなふうに感じるかわからなくなっている。

自分自身でも、それがどんなふうな危険性を含有しているのかもわからずに。

でも、それは実際に存在していて、危ないぜ?って問いかけることで
外に出ようとする意志を込めている。

逃げるのか、幻だとなかったことにされるのか、
自分という爆撃を落としてみないとわからないなぁ。



僕は今 コクピットの中にいて
白い月の 真ん中の黒い影


実際、ここで自分はその爆撃機のコクピットの中にいるんだと想像される。
それが闇の中を、月明かりを頼りにしながら飛行している。

それは、違う誰かからみれば、「白い月の真ん中の黒い影」に見える。


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闇の上空を、わずかな光を頼りにしながら、たどり着くべき場所をめがけて進んでいく。

そんな誰も居ないような、不安でたまらない中で、問いかけてける別の誰かがいる。


いつでも真っ直ぐ歩けるか
湖にドボンかもしれないぜ


怖くて、その道が合ってるかわからなくて、ものすごい不安の中でも、行くべき場所にまっすぐ
疑わずに進めるかい?

もしかしたら、罠にハマってそのまま帰ってこれないかもしれないよ?覚悟はあるかい、ボーイ。

って言われてる感じ。


誰かに相談してみても
ぼくらの行く道は変わらない


それでも、相談しても、結局行きたい道に人は行くんだよ、って答えてる。
ぼく、じゃなくて「ぼくら」、それは孤独という共通のテーマでつながってるということなんだ。

薄い月明かりを、手がかりにして、人は進んでいく。
誰も入れない孤独の中から、自分という爆発性に覚悟を示しながら。


この「変わらない」の箇所は、ヒロトは間違ってかもしくは無意識で、「わからない」とライブで歌っていることが合った。

また、ライブではマーシーがこの曲を演奏する前に盛り上げるため「やるよーー!!やっちゃうよーーー!!」
と叫ぶのが定番のようだ。


この曲に勇気づけれた人を知っている。


会計士試験に勉強するために、私の運営している「勉強カフェ」で勉強を続けていた私と同じくらいブルーハーツ好きだったEさん。


その試験勉強という孤独と戦うために選んだ曲が、この曲だった。
見事合格を果たし、私にこんなメッセージを贈ってくれたのだった。

20130609140453fe1.jpg

だから特に、この曲は思い入れが強い。

後世に語り継ぐべき名曲中の名曲です。

ちなみにマキシマムザホルモンが「予襲復讐」というアルバムの中で、微妙にカバーしています。
彼らは皆殺しのメロディもカバーしていましたし、ブルーハーツが好きなんでしょう。
posted by 荒井コウスケ at 07:00 | Comment(9) | STICK OUT (6th Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お早うございます。Facebookで記事をシェア
させて頂きました。問答無用にカッコ良く、
私には非常にツボです。魅力的な歌がたくさん
ある中で、一番を挙げるとすればこれですね。
自分の中の一種の狂気(激しさ・爆発性)を
爆撃機に譬えているという部分はなるほどと
思いました。

「僕は今コクピットの〜」の部分が、後半では
「錆びついたコクピットの〜」とわざわざ
言い替えられているところも「さすがヒロト」
ですね!
Posted by 小太郎 at 2015年01月19日 08:48
小太郎さん

おはようございます!
早速シェアありがとうございます(^^)

一番ですか!!でもそのランクにふさわしいだけの曲ではありますね(^_^)

爆撃機から感じるものって、自分の場合はそうでした。いろんな解釈ができるとは思うんですが、しっくりきたんですね。

ヒロトの歌の中で、途中から言い換えが行われていることってありますよね。
これも何かそこに意図があったんでしょうかね??
情景が浮かんでくるように配慮されているのかと思いました。
Posted by 荒井コウスケ at 2015年01月19日 09:11
投稿お疲れ様です。
僕もこの記事を読んで考えたのですが、月の爆撃機とはヒロトにとって、ロックンロールなんじゃないでしょうか。

あれは伝説の爆撃機 この街もそろそろ
危ないぜ
どんなふうに 逃げようか
全ては幻と笑おうか

十四才のヒロトに突如現れた新しい価値観”ロックンロール”
「なんだか怖そうだし逃げたいけど楽しい。
ほんとそうだよな、どうでもいいよな、アハハハ」

錆びついたコクピットの中にいる
白い月の真ん中の黒い影

「時は流れて自分もロックをやってる。
そんなにイカしてないかもしれないけど(笑)
お〜い 聞こえるか ロクデナシ
頑張れよ〜。」

手掛かりになるのは薄い月明り

「僕の中には今もまだロックがガンガン鳴り響いてるぜ だから何も怖くないぜーブルブルブル( ;´Д`)」

ヒロトはきっとこう言ってるんじゃないかな〜と僕は思います。

ぼく、じゃなくて「ぼくら」、それは孤独という共通のテーマでつながってるということなんだ。

↑ハッとさせられました。
大槻ケンヂさんはブルーハーツは青臭い青春を共有させてくれると言ってましたが、彼らは仲間外れを作らないんですよね。やさしいんですよ。
どんなにダメなやつもみんな受け入れてくれる。そんな気がします。
ほんとに長文すいません
熱くなっちゃったf^_^;

Posted by 天国野郎 at 2015年01月19日 17:38
連投すいません。
深夜アニメには疎いのですが、今放送されてるローリング☆ガールズというアニメのオープニングにこの曲が、人にやさしくがエンディングに使われてるそうです。
改めてブルーハーツって凄いですね。
以上関係ない話でした、ごめんなさい
Posted by 天国野郎 at 2015年01月19日 17:45
待ってました!『月の爆撃機』大大大好きです!
もしかしたらブルーハーツの歌で一番好きかもしれません。

何が好きって、もう最初のマーシーのギター入り。前にもちょっと言いましたが、何曲か前奏でうわぁーーーってなる歌があって、この歌はその中でも一番うわぁーーーってなる歌です。それこそ黙っていられないくらい。

正直爆撃機っていうのが何を意味するのかってのはわからないところが大きいのですが、これはヒロトが今でも一貫して言い続けてるポリシー?(彼はポリシーがないのがポリシーだと言ってますが)みたいなものが詰まった歌なのでは?と思っています。

この歌のPVにも出てきますが、爆弾を 連続して落としていく爆弾機。一度投下してしまうともう後戻りはできない。戦争においては無差別に傷つけていくホントに恐ろしい武器です。
コウスケさんもおっしゃってますが、自分の中の狂気な部分かもしれないし、後戻りはできないという硬い決意のようにも取れます。

そして私がこの歌が大好きな一番の理由となる部分が『いつでもまっすぐ歩けるか?湖にドボンかもしれないぜ』『誰かに相談してみても僕らのゆく道は変わらない』です。

もうサイコーです。
いつでも自分の気持ちに正直に突き進むだけの覚悟はあるのか?とんでもない壁にぶちあたるかもしれないんだぜ。ヒロトにはそれだけの覚悟があったんですよね。

誰かにの部分はいつも私が感じていたことです。
ヒロトも『ゆれたところでもう決着はついてるんだ』みたいなこと言ってますが、振り替えってみると本当に大事な決断は誰にも相談せず一人で決めてきました。

この歌に出会ったおかげで自分の気持ちに自信もついたし考え方も変わりました。
そんな、私の中でもとっても大切な一曲です。
Posted by しおまめたろう at 2015年01月22日 10:34
天国野郎さん

またまたコメントありがとうございます!!

解釈の仕方が、新鮮でとても興味深いです。
爆撃機がロックンロール、そういう見方もできますね。たしかに、ヒロトはそのぐらいの威力をロックンロールに感じているに違いない。

そしてコクピットのところも、いいねすね〜ロクデナシ、頑張れよ、は名言ですね。

僕もブルーハーツにそんな風に言われてる気がしたことが有ります。

ヒロトがやさしい、って間違いないですね。
いつも優しさをもらっています。大槻ケンヂさんもブルーハーツを少なからずリスペットしてそうな気がしています。

こんなに時間が経ってもブルーハーツの曲がOPで使われるなんて、彼らの音楽が本物の証ですね^^

Posted by 荒井コウスケ at 2015年01月22日 18:43
しおまめたろうさん

コメントいつもありがとうございます!
今回のコメントから、しおまめたろうさんがこの曲を大好きなんだな、っていうのが伝わってきました(^^ゞ

爆撃機がポリシー、っていいですね。
とにかく自分の中の信念とか、そういう類のものでしょうね。

湖にドボンかもしれないぜ、はかっこいいですよね!!あそこでしびれました(^^ゞ

それにしてもこの曲に感銘を受けてる人多いですね^^アンケートとったらこの曲が1位だったりしてヽ(=´▽`=)ノ
Posted by 荒井コウスケ at 2015年01月22日 18:49
友達につれてってもらった池袋のメイド喫茶で、メイドさんがきれいな声で歌ってて知ったという経緯でした。(常連さんにリクエストされたらしいです。)オリジナルを聞いてハマってます♪
Posted by るか at 2015年12月23日 18:09
るかさん

そんな経緯で!
はじめてです!
パンクなメイドさんだったんですかね〜?それでブログまでみてもらってメイドさんに感謝です!
Posted by 荒井コウスケ at 2015年12月29日 16:33
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