2015年06月29日

あの娘にタッチ(作詞・作曲:甲本ヒロト)



この時期、ブルーハーツとして別の可能性を探っていた時期で、
こういった歌が書かれた気がする。

恋の歌なんだけど、今までの曲とは別で、少しお気楽なテイストを感じる。

そして、ブルーハーツの曲というのは、何かしらメッセージが隠れているのだが、
この曲にはそれが感じられない。


なので、正直これは解説しづらい(笑)

出来事にメロディをつけて、「おもしろおかしくやろう」。
そういう位置づけの曲な気がする。

PVもロサンゼルスでつくられ、内容もかなりお気楽。


この内容で、それでも成立するのがブルーハーツ。だから好きなんですけどね。
まんまで、そんな大したことしないんですけど、丸裸ですごいから、
飾る必要がない。

こんなことを言うと、ヒロトさんから「過大評価だ」とヨルタモリを見た後には
おもってしまうけれど、本当そう思うのだから仕方がない。



恋の呪文をつかってあの娘にタッチ

天使のような娘だって
あの娘にタッチ



なぜこのような「タッチ」という微妙な表現をつかっているのかは謎。
野球漫画の「タッチ」を意識しているのかもしれない。



ワンダーワンダーワンダー
不思議な心

太鼓とラッパファンファーレ


ここで楽器が出てきたのは、気分の高揚がまるで音楽を奏でているように感じているのだろう。
憧れのあの娘がいて、その娘にタッチした時の気持ちなのかもしれない。



初めてだった
あの娘にタッチ
初恋だった
あの娘にタッチ

世界中の時計の針を
止めてしまった プロポーズ


ここで、この恋はついには結婚まで言っているというのがわかる。
初恋から結婚という、ひとつのストーリーが流れている。

世界中の時計の針を止めてしまった、というのはいい表現。
実際には止まってないけど、止まっているかのように時が流れたのだろう。


エジプトのピラミッド
それよりも謎めいて

UFOの秘密基地 それよりも怪しくて


こういう、世界規模の表現がうまいなぁ〜と思う。
ヒマラヤとか原子爆弾とか台風とか、なんか表現が大きい。

ブルーハーツってそういうところにも、それらしさがある。

謎めいている表現をするのに、ピラミッド、
怪しい物を表現するのに、UFO、って一見簡単そうに見えるんだけど、
歌にしようと思った時に、なかなかすぐに出てこない言葉だと思う。



空を飛んであの娘にタッチ
海に潜って あの娘にタッチ


これは、例えどんなところでもあの娘がいるところに飛んで行く、
という意味。


デンジャー・デンジャーデンジャー
危ないデート 
越えてしまった境界線



これは、その日何かがあったことを意味している。
境界線を越えたということで、2人の関係は一歩進んだのだろう。


ちなみに、あの娘にタッチで検索すると、
痴漢のAVが出てくるので注意(笑)
タッチどころちゃうやん(笑)


posted by 荒井コウスケ at 07:00 | Comment(4) | HIGH KICKS(5th Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月22日

メリーゴーランド(作詞・作曲:甲本ヒロト/真島昌利)



メリーゴーランド.jpg
ブルーハーツではなかなか見られない曲展開。

この曲が出来たエピソードとして、金沢のボウリングで遊んだ帰りにヒロトとマーシーで書いた、とある。

ただ、曲のなかにボーリング的な要素は一切ない。

初のヒロト・マーシー共作の曲で、これはブルーハーツ以降もそんなに見られない。
ハイロウズになるが、「そばにいるから」が作詞ヒロト、作曲マーシーで、同じくハイロウズの「胸がドキドキ」も作詞ヒロト、作曲マーシー、となっている。



ここで楽しもう ここでうまくやろう
ここで手を握り ここでキスをしよう ここで信じよう



ここで、というのが多用されているが、
つまりはどこか遠くへいくわけでもなく、今この場所で、全部完結させよう
、どこも行く必要はないさ、そんなニュアンスを感じる。

また、さらにタイトルにもなっているメリーゴーランドの特性
がそのニュアンスを加速させている。


まわりつづけよう



どこにもいかず、同じ場所をぐるぐるまわっていく。
だからこそ、ここで楽しもう、なのではないか。


1人じゃできないことがあるだろう

1人じゃ見えないことがあるだろう



この曲の大きなポイントに「提案」を感じる。


信じよう、とかあるだろう、とか〜してごらん、回り続けよう、とか。

他の曲は、好きです、とかそういう「意思表示」にとどまる事が多いが、
メリーゴーランドのぐるぐる回る流動性と、言葉の方向性がマッチして、
〜しようと、相手をどこかへ連れてってあげよう、というニュアンスをイメージとして感じる。


鍵を開けてくれ 回り続けよう


この鍵をあけてくれ、というのがこの詩の展開とすこしずれていて、
どういうことなんだろう、と思わせる。

回り続ける、や、ここで楽しむ、という今この場所で、という方向性の主旨から、
一転してそこから切り開いて別の場所、どこか違う世界へ行きたいかのような
単語チョイス。

鍵を開ける、というのはつまり何か閉じ込められているという状況を暗に
脱出したいと意味しているのではないか。

ここで楽しもう、といいつつ、なかなか出られないからこの状況を楽しんでしまおう。
でも、本当は脱出したい、何か手がかりをみつけたい、
そういうことなんじゃなかろうか。





メリーゴーランド 思ってごらん

メリーゴランド 一番前はだあれ?


ここの歌詞に非常に想像力を必要としたが、ぐるぐる回り続けていて、
一体誰が先頭なんだろう、という単純な疑問を歌詞にしているだけで
深い意味ではないのではないか。


思ってごらん、っていうのはどういうことなんだろう。


真意を汲み取ろうとすると、ますます考えが巡っていく曲です。
それはまさにメリーゴランドのように、ずっと巡って行きました。
posted by 荒井コウスケ at 07:00 | Comment(3) | TRAIN-TRAIN(3rd Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月15日

ヒューストン・ブルース(作詞・作曲:甲本ヒロト)

歌が始まるまで、めちゃめちゃ長い。

まるで長渕剛のライブのよう。


でも、始まり方は、好き。

ヒロトが珍しく英語で第一声を放つところが新鮮。
「Fly to the moon from Houston」と言っているが、
これを直訳すると、ヒューストンから私を月に連れてってという意味になる。



こちらも前回の「ボインキラー」に引き続き、ほとんどまともに聴いたことがなかった曲。


ただ、よく聴いてみると曲自体はカッコよく仕上がっている。

なんだろう、音とかタイトルとかを見ても、「宇宙」を感じる。

歌はそんなに入っておらず、ほとんど音。


ヒロトがブルーハーツ解散後に組むバンド、「ヒューストンズ」を意識しているのは間違いなく、
途中で We are THE HOUSTONSと歌詞には書いてないが、歌っている。

そこから推測するに、この演奏自体もヒューストンズのメンバーで行われたのではないか。

別タイトルつけるならば、ブルーハーツのテーマに対抗して「ヒューストンズのテーマ」だろうか。


全体的に、解散理由となったと言われている河ちゃんが主張しているような、絶対的な神の存在に真っ向から否定するニュアンスを放っている曲。

出だし

天国なんかに いきたかねえ
 天国なんかに いきたかねえ
 ただ月面を散歩したい」


信じれば救われ、天国に行ける、という宗教チックな思想に対して、ヒロトやマーシーは反発して続けている。

後のハイロウズ「死人」という曲の中でも

死んだら死んでいるだけだ 地獄や死後の裁きとか そんなのは嘘っぱちだぜ
クサイ金のニオイがする


と歌っている。


おそらく、この歌詞もそれを暗に言っているだろう。信じれば、天国にいけますよ、と宗教家が勧誘してきて、いや、別におれは行きたくないし、っていうことなんだろう。


続く歌詞も

神様なんかに あいたかねえ
神様なんかに あいたかねえ
月面で吠える狼


こちらも真っ向から宗教的側面に反発している。
これについて、河ちゃんは、ヒロトが宗教への理解がなく申し訳なく思っている、みたいなインタビュー記事をどこかで見たことがある。

ヒロトがなぜこれを、月面で吠える、という風に表現したのかは謎。





生まれ変わったら ノミがいい
生まれ変われるなら ノミにしてくれ
もっと広々暮らしたいぜ



これは強烈な皮肉だと思う。ヒロトなりの。

俺は別に死後の世界なんかに興味がない、っていう。
ノミにでもしておいてくれ、生きている今しか関係ないから、っていうマインドを持っているヒロトらしい。

ハイロウズの、ライブでしか演奏されなかった曲「ローリング・ジェット・サンダー」でも

死んだら死んだで関係ないぜ
ちょっとそこらに捨てといてくれ


って歌っている。


改めて聴いてみるとわりとかっこよかった一曲でした。

posted by 荒井コウスケ at 07:00 | Comment(3) | PAN(Last Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする