2015年01月26日

悲しいうわさ(作詞・作曲:真島昌利)




実はこの曲に注目したことは今までに一度もなかったが、
今回の解説で、改めて聞き直した。






正直、この曲はほとんど聴いてなかった。





今度発売される、
30週年を記念したブルーハーツトリビュートアルバムで八代亜紀がこの曲をカバーするということで、
なぜあえてこの曲なんだろう?と不思議に思ったので、
きいてみるき気になった。



悲しいうわさを聴いたよ 昨日
お前がこの街を出て行くなんて

嘘だと言ってくれ 嘘だと言ってくれ
悲しいうわさは嘘だといってくれ




「出ていく」としているのは、きっと死んでしまったんだろう。

マーシーの表現する「出て行く」というのは、意味深けである。

PANというアルバムに入っている「休日」という曲、後ほど解説するが、その中でも、


いつの日かこの街を出て行く僕らだから



と表現していて、これも暗に死のことを言っているのではないだろうかと考える。




それからこの曲について思うのは、マーシーの実話なんじゃないかというのがある。
わざわざこんな暗い曲をつくるのかなぁ、と思った。




曲にしてしまうあたり、実話っぽいなあと。




ここまで暗い曲を彼らが作ったことがあっただろうか?
のちのハイロウズの「岡本君」という曲が悲しい曲ではあるが、
その曲についてヒロトは「エンターテイメントに悲しみを持ち込みたくはないから、
悲しい曲ではない」という旨のことを言っている。



それと、嘘だと言ってくれ、というのを繰り返し言っているから
まだ確認はとれていない状況だろう。


どこか遠くの場所で、知人ずてに聴いたんじゃないだろうか。
そのときのショックでそのまま曲を作ったのかもしれない。


また、当時のブルーハーツの状況として、
ファースト・アルバム、セカンド・アルバム、サードアルバムと
メッセージ性をストレートに強く打ち出した曲から一転して、間接的な表現を見せるようになった
少し志向を変えた今回のアルバム「BUST WASTE HIP」で、
今までとは違う曲も作るんだよ、というメッセージをファンに見せるために
収録した部分も想定される。


サビ

いつまでもこのままで 楽しんでいたいけど
うわさが本当だったら うわさが本当だったら
この街には朝日はもう 輝かない



この曲の楽しみ方で、ヒロトとマーシーのハモリを楽しむ、というのがあって、
このサビはそれが楽しめる。



マーシーはこういう、少し人間の暗い部分、悲しい部分や鬱屈した思いに焦点を当てて作る曲が
たまーにあるが、その代表作みたいなのがこの曲である。

もう少しこういった曲にたくさんの詩やストーリー性をもたせたものは、ブルーハーツではなく、
ソロアルバムでよく見られる。


マーシーらしさが出た、なかなか暗い曲をかかないという、
そういう意味で新鮮な一曲。


posted by 荒井コウスケ at 07:00 | Comment(5) | BUST WASTE HIP(4th Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月19日

月の爆撃機(作詞・作曲:甲本ヒロト)



ヒロトの文学的才能が最大に発揮された、孤独を生ききる人々へ向けた、ブルーハーツの中でも特に痛烈な名曲。

これは、本当に名曲だと思います。ずっと残せるような、そしてたくさんきいて自分なりのイメージができあがっていく、
まるそれぞれの人の中で曲が育つような、そんな曲です。

生きていくことそのものを歌っていて、そこにつきまとう葛藤や決意、それをヒロトの持つ独特の言葉が表現してくれている。

いろいろな解釈ができて、想像がふくらみ、これを考えるのが楽しい歌だ。


ここから一歩も通さない 理屈も法律も通さない
誰の声も届かない 友達も恋人も入れない


過去の曲でも例にあげたが、
この曲の最初の驚きとして、
出だしのインパクトが強烈過ぎて、一気に耳を奪われる。

誰の胸の中にもある、「譲れないもの」。
それは孤独と隣合わせ。

この線から先は、入ってきちゃダメだよ。この中から、自分だけがいることの許される聖域なんだ。

そして、声も届かないくらい静かで、助けを呼んでも、叫んでも、その声は入ってこないんだ。

誰もいないから、寂しくても、この中には入れないんだ。


って感じで、またこれは「孤独」を抱えている人間の性をイメージさせる。


そして何回も出てくるこの名フレーズ。


手がかりになるのは 薄い月明かり


うま〜〜〜くこの短いフレーズの中に、言いたいイメージを込めたなぁと、すごいなあと。

闇の中をさぐって、進んでいく中、かすかにその闇を照らしている月明かりがある。
そのわずかな光を頼りに、道を進んでいく。





あれは伝説の爆撃機 この街もそろそろ
危ないぜ
どんなふうに 逃げようか
全ては幻と笑おうか


これは自分自身の持つ、「狂気」なんじゃなかろうか。
爆撃機というのは。

自分自身が内包している爆発性を、

「あれ」と、表現しているのは、客観的に見ているのではないか。

自分が外部へ与える、狂気ともとれるような爆撃機のような本当の部分を、
周りはどんなふうに感じるかわからなくなっている。

自分自身でも、それがどんなふうな危険性を含有しているのかもわからずに。

でも、それは実際に存在していて、危ないぜ?って問いかけることで
外に出ようとする意志を込めている。

逃げるのか、幻だとなかったことにされるのか、
自分という爆撃を落としてみないとわからないなぁ。



僕は今 コクピットの中にいて
白い月の 真ん中の黒い影


実際、ここで自分はその爆撃機のコクピットの中にいるんだと想像される。
それが闇の中を、月明かりを頼りにしながら飛行している。

それは、違う誰かからみれば、「白い月の真ん中の黒い影」に見える。


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闇の上空を、わずかな光を頼りにしながら、たどり着くべき場所をめがけて進んでいく。

そんな誰も居ないような、不安でたまらない中で、問いかけてける別の誰かがいる。


いつでも真っ直ぐ歩けるか
湖にドボンかもしれないぜ


怖くて、その道が合ってるかわからなくて、ものすごい不安の中でも、行くべき場所にまっすぐ
疑わずに進めるかい?

もしかしたら、罠にハマってそのまま帰ってこれないかもしれないよ?覚悟はあるかい、ボーイ。

って言われてる感じ。


誰かに相談してみても
ぼくらの行く道は変わらない


それでも、相談しても、結局行きたい道に人は行くんだよ、って答えてる。
ぼく、じゃなくて「ぼくら」、それは孤独という共通のテーマでつながってるということなんだ。

薄い月明かりを、手がかりにして、人は進んでいく。
誰も入れない孤独の中から、自分という爆発性に覚悟を示しながら。


この「変わらない」の箇所は、ヒロトは間違ってかもしくは無意識で、「わからない」とライブで歌っていることが合った。

また、ライブではマーシーがこの曲を演奏する前に盛り上げるため「やるよーー!!やっちゃうよーーー!!」
と叫ぶのが定番のようだ。


この曲に勇気づけれた人を知っている。


会計士試験に勉強するために、私の運営している「勉強カフェ」で勉強を続けていた私と同じくらいブルーハーツ好きだったEさん。


その試験勉強という孤独と戦うために選んだ曲が、この曲だった。
見事合格を果たし、私にこんなメッセージを贈ってくれたのだった。

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だから特に、この曲は思い入れが強い。

後世に語り継ぐべき名曲中の名曲です。

ちなみにマキシマムザホルモンが「予襲復讐」というアルバムの中で、微妙にカバーしています。
彼らは皆殺しのメロディもカバーしていましたし、ブルーハーツが好きなんでしょう。
posted by 荒井コウスケ at 07:00 | Comment(9) | STICK OUT (6th Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月12日

44口径(作詞・作曲:甲本ヒロト)

二丁拳銃の潔さを、表現した曲。



世の中の様々な問題があるけども、全部一発で片付けられたらいいなぁ、
というような空想のような感覚かな。


くだらねえ幻想にとらわれてんじゃねーよ、人類、二丁拳銃、
全部ぶっとばしてくれ、
みたいな強烈さを含有している。

また、メロディが軽快なので知ってるモノ同士でカラオケにいくと、結構もりあがる。

特に、チュルルルールの連打がおもしろい。

メロディがキャッチーなので3回くらい聴くと覚えられる。


2014年の「THE MANZAI」に出場した二丁拳銃というお笑いコンビのコンビ名は
この曲からきており、さらに彼らはバンドも組んでいた時代が有り、自らこの
「44口径」をカバーしている。
その音源がこちら





夜が今 口をあけて
僕達を飲み込んでいく

二丁拳銃 滑りこむ

広がった 集まった
商店街も 裏通りも

二丁拳銃 駆け抜ける




何も見えない暗闇の中に、全てを吹き飛ばす
二丁拳銃がやってくる。


商店街とか裏通りとか、どっちだっていいんだ、
全部、吹き飛ばす。



そしてサビ

44口径 44口径 
鉄砲玉だぜ

44口径 44口径
行ったきりだぜ



この部分の、行ったきりだぜ、というのがとてつもない潔さを表現している。

戻るという選択肢はなく、戻ろうと思っても、戻らないものは戻らない。
鉄砲玉が吹き飛ばしたすべてのモノは、もう同じ形には戻らないんだ。

だから、二丁拳銃からとびでた弾丸はただ進んでくだけ。


インフレも 公害も イザコザも 争い事も
二丁拳銃 かたずける

天才も 秀才も 常識も 先入観も
二丁拳銃 はじけ飛ぶ


いろいろかたずけたくなったんだろうな、作ったヒロトは。

なんかもう、そういうのいいじゃん。全部かたずけてくれ、って感じで
その想いのままこの曲を一気に作ったような気がする。

インフレだの、戦争だの、常識だの。


なんか、いろいろ考えてめんどくさいな、って時に
歌うと爽快な気分になれる、そんな一曲です。
posted by 荒井コウスケ at 07:00 | Comment(6) | STICK OUT (6th Album) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする